思うように組手が出来ないときの解決策

技術

空手は一撃必殺を目指すものだと、前回書きました。

ビジョナップを購入するかどうか検討中の人は必見。

ですが、実際に組手を行うとき、一撃必殺と考えるよりも、多撃と考えて組手を行うほうが、(私の経験上では)実はやりやすかったりします。 実は、多撃必殺は、中国武術の先生から学びました。 空手においては、一撃か、多撃か? これに突いて深堀りしていきます。

思うように組手が出来ないあなたへ

組手のとき、皆さんはどのような考えを持って行っていますか?

組手でよく聞かれる疑問点、問題点を少し上げてみます。

  • 型も稽古し、研究もしているが、組手では思ったように動けず、苦戦する。
  • 結局、子供の喧嘩のような、突き蹴りを出しまくる。といった感じになってしまう。
  • 一撃で相手を倒そうと力を入れているが、当たらない。そんなに上手く行かない。
  • 相手の防御ごと破壊しようとするが、こちらの体力も奪われる。
  • 相手ももちろん攻撃してくるので、型や約束組手のような、きれいな形で突きや蹴りが相手に入ることはまず無い。

これって、結構当てはまる人がいるのではないでしょうか。

実は、もう答えは決まっています。

ここでいきなり結論を書いてしまいますが、

(私としては)一撃必殺よりも「多撃」の方が有効だと考えています。

試合のルールによって、一撃必殺が有効か、多撃が有利かが違ってきます。

例として、競技空手(伝統派空手)の試合、フルコンタクト系の試合、 キックボクシングや K 1 など立ち技系格闘技の試合を例に挙げながらその理由を書いていきます。

 

競技空手の場合

例えばスポーツ空手(伝統派空手)などでは、一撃必殺という考え方は有効です

伝統派の競技空手は基本的に寸止めです。

実際本当にその突き(打撃)が効いたのかどうかは、当てていないのでわかりません。

その勝敗の決め方は、どちらが先に当てたかということと、どちらの攻撃がより有効であったと判断できるか、というところです

言い方は悪いですが、 俺が先に当てたよアピールが強いほうが勝つということです

ですので、一撃必殺の突きを俺が先に入れたと言わんばかりに大きな声で気合を掛け、顔でアピールをするわけです。

最初に組手の試合が始まったばかりの頃は、空手独自の一撃必殺の考え方を取り入れようとした結果、安全面も考慮し、素早く突きを入れた形を取った方が勝ち、という具合に取り決めたのでしょう。

ですが、時代が進むにつれて、いろいろな見直しが進み、その度にルールが改正され、このようなおかしな形に変質してしまったのでしょう。

また寸止めが基本なので、 当たらないことが前提になっています。これが逆に仇となり、試合ではお互いがほとんど無防備な状態で、相手に突っ込んで行きます。

試合中、本当に突きが顔面に当たって、一発で失神 KO されてしまう人も出るくらいです。

もしこれが本当に町の喧嘩だったら一発でアウトです。

一撃必殺が有効と初めに書きましたが、勝つためのアピールでは全く意味がありません。

ということで、これは参考にならないため、論外とします。

 

フルコンタクト系では?

ナイハンチ初段

それでは次に、フルコンタクト系についてです。

フルコンタクト系の試合に出ると、競技空手で培った技術はまず使えません。

寸止めではないため、本当に効かせるために打ち込む必要があります。

素早く飛び込んで突きを出したところで顔面にも当てられないのですから、 狙うところは相手の胸や腹になります 。一発で相手に効くことはほとんどありません。

結局のところ足を止めて、どつき合うことになります。

フルコンタクト系の場合、昔は一撃必殺的な攻撃で相手がノックダウンする試合が結構見られましたが、最近はほとんどありません。

大抵の場合、お互いにどつき合って最後は判定です。

見ていて本当に面白くない試合が展開されています。

フルコンタクト空手でも体重別に分けられます。体格差とか体重差がないので、一撃で相手が沈むことはまずありません。

フルコンの試合に出る人は、お互い顔以外のところをどつき合うのを前提で鍛えてきていますので、同じぐらいの体格もしくは体重ですと、(私の場合ですが)剛柔流のように身体を鍛えまくっていれば、相手の攻撃はある程度耐えられますので、一撃必殺はなかなか実現できないわけです。

以前に巻藁で鍛錬することによって 一撃必殺を実現できると私は記事で書きました。

ですが、その巻藁突きの鍛錬においても 毎日稽古して何年もかかって身に付けるものです。数年ではなく数十年と続けることが大事です。

そこまでやって初めて知花朝信や糸洲安恒ような、とんでもない打撃が身につくのだと思います。

そこまで巻藁突きに取り組んでいないのであれば、フルコン系の試合で一撃必殺はかなり難しいと思います。

それでは多撃はどうでしょうか。

私が出しているフルコン系の試合の答えは、ローキックにあると思っています。

数見肇選手のローキックはあまりにも有名です。

突きとローキックを次々に打ち出すあの攻撃は、多撃そのものです。

ワンツースリーでの左ハイキックを入れてもいいですし、 ローからハイキックの二段蹴りも有効だと思います。

ですが、やはり顔面パンチがルール上はないため、(私の経験から言わせてもらうと)どうしても力に頼ることが多い試合になってしまいます。

結論を言えば、まあ多撃が有効であると言えると思います。

 

立ち技系格闘技では?

キックボクシングや立ち技系格闘技では、今でも一撃でノックアウトされるシーンが見られます。

これはやはり顔面攻撃があるからでしょう。

競技空手のように寸止めではありませんし、本当に当てて効かないことには相手は倒れません。

フルコンタクト空手のように顔面を殴ってはいけないというルールもありません。

例えばフルコンタクト系空手でも、もし顔面打撃がOKになれば、途端に試合は難しくなります。

もしそうなったら多分、お互い面と向かってどつきあうという試合ではなくなるでしょう。

今となっては総合格闘技も全盛期ですし。オクタゴン(金網マッチ)などもあるため。さほど危険性についてとやかく言われることはないと思っていますがいかがでしょうか。

さて話はそれてしまいましたが、立ち技系の格闘技だと一撃必殺は有利でしょうか。

ボクシングや K-1などの試合を見てもわかりますが、たくさんの攻撃を出していますが一発一発を力一杯きっちり当てようとしているように思います。

つまり一撃必殺の重く鋭い突きを毎回打とうとしているわけです。

私の言う多撃とはそうではなく、緩急があります。

ボクシングのワンツーやワンツースリーに似ています。

とても良い例があります。ボクシングのワシル・ロマチェンコ選手です。

彼のボクシングは多撃です(と私は思っています)。

ワシル・ロマチェンコVSギジェルモ・リゴンドー20171210

打撃を実現するためのステップワークも、とても素晴らしいものがあります。

私は中国武術の先生から一撃必殺ではなく打撃が良いと教わり、その後ワシル・ロマチェンコ選手の試合を発見してからは、研究を重ねて今の自分の多撃の方法論を確立しました。

実はこのやり方はとても組手が楽になります。

今までのように当たるか当たらないかとか、相手の攻撃をむやみやたら恐れる、ということがだいぶ少なくなります。

相手の攻撃を待つような考え方が消え去り、自分から攻撃を組み立て、試合の主導権を常に自分のものに出来るようになります。

もちろんいつもそううまくいくわけではありませんが、上手くいく確率がかなり高くなります。

この組手のやり方の具体的な方法はここでは紹介しません。

私の道場でも教えていません。

私独自の秘伝の方法なので、済みませんが内緒にします。

ですが「多撃」ということと、「ワシル・ロマチェンコ選手」というヒントをあげているので、大体想像できると思います。

私も過去は、一撃必殺を目標に相手を一発で仕留めようとして、組手の時はガチガチに力を入れ、殴る時には力いっぱい殴ろうとしていました。

ですが、それは逆に自分の動きが遅くなることであり、突き蹴りが遅くなることであり、相手にとっては簡単に避けられる攻撃になってしまっているということです。

しかもいつも全力で攻撃をしていますので、体力の消耗もかなり激しいです。試合が終わる頃にはもうヘトヘトになってしまいます。

一撃必殺という考え方は、肉体的にも精神的にも、過剰な緊張感を生むことが多いと悟りました。

多撃という考え方が有効であることは、 私の経験上間違いありません。

 

まとめ

空手の記事に関するまとめ

以上、かなりザックリとした話になってしまいました。

肝心の多撃のやり方についても紹介しないとかいうのであれば、参考にもならないかもしれません。

ですが、これをきっかけに、皆さんも普段の稽古で多撃という考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

あなたがもし組手で行き詰まっているのであれば、これはなんらかの突破口になると思っています。

信じるか信じないかはあなた次第です(おいっ!!)